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オレと兄貴と私がいるから 第6話
「――なんです」
ミハルさんのカップも僕のも珈琲を飲み干した。僕はカップを下げて綺麗に洗う。
「じゃあ、そろそろ私は海晴ちゃんに勉強を教えに行ってきます」
「あっ、お願いします」
僕は夕飯の準備に取り掛かる。
「優斗君ならいい医者になれますよ」
「え?」
ミハルさんはいたずらな笑みを浮かべながら海晴の部屋へ向かっていった。何を隠そう僕は医者を目指しています。
正直、忙しい僕に代わって海晴に勉強を教えてもらえるなんてありがたい限りだったりする。ミハルさんがいてくれたら、絶対に海晴はいい高校へいけそうな気がするのだから。
さてと、食事の三人分ってどのくらいなんだろうか?
――夕飯を終え、作りすぎてしまった残りを冷蔵庫にしまった。海晴もミハルさんも再び部屋へ戻っていった。僕はまたまた洗い物の処理である。
僕は僕の部屋を持たないため、パソコンをリビングに持ってきてレポートを作り始める。時間のある今日一日で済まそうと思っていたが、野球をしてしまったので徹夜覚悟でやろう。明日、バイトだけど……
海晴はというと、ミハルさんの進めもあっていつもより早く就寝した。後でこっそりと部屋を見に行ったら海晴はぐっすりと眠っていた。僕も寝たい。
「う~ん……」
すぐにパソコンの前に戻りレポート作り、悩むだけであっという間に時間が過ぎる。僕が悩んでいると、カタンと音がして僕はその方向を見る。
「頑張ってますね」
微笑みながら、ミルクも砂糖も入ってそうな珈琲を淹れてくれたミハルさんがいた。ついでに時計を見る。日付が変更されていた。
「ありがとうございます。ミハルさんもそろそろ寝た方が……」
僕はミハルさんのコーヒーを飲む。美味い。
「いえ、優斗君のお手伝いが出来れば……と」
ミハルさんは一度言った事は遣り通す人だ。僕はお言葉に甘えて手伝ってもらう事にした。
お陰で、レポートはあっという間に完了した。夏休みの残りはバイトに打ち込める。
僕は最後に就寝をした。後、四時間ほどで僕は起きなければならない。家事が待っているからだ。
とは言いつつ、起きたのは二番目でミハルさんがフライパンを操っていた。このままではミハルさんに仕事を全部取られてしまいそうだ。
しかし、時間が無いため洗濯や掃除をミハルさんに任せきって僕はバイトに出かけた。近所のコンビニで働いているのは海晴にもミハルさんにも内緒である。