07/10/14
神サマの探し物 第3話
俺は田中家の食卓に加わって夕飯をいただいた。彼女の父親さんは単身赴任中のためここにはいない。
本日の夕飯のメニューは『ニンジンご飯』『ニンジンのサラダ』『ニンジンの味噌汁(!?)』……ニンジンが嫌いな俺にとっては結構、地獄だった。
そして、就寝時間。母親さんは俺にために押入れの置くから布団一式を出し、美鈴の部屋の床に敷いてくれた。疲れていた俺はそのまま倒れこむかのように…………そういえば、神様はどうなったのだろうか?
『涼太さん。生きてますか?』
突如、ルナが話しかけてきた。
「し、死んでたらどうするの……まぁ、いいや、何か用?」
俺は、寝る準備をしている美鈴に聞こえないように答えた。
『言い忘れていましたが、私に話しかけるときは心で話していただければ大丈夫です』
『こんな感じでいいのかな?』
俺は言われたとおり心で話しかけた。
『そうです。流石涼太さんですね』
俺は何だかルナに持ち上げられている気がした。
『そこで本題に戻させていただきすが、まず始めに今回変わった天法1297条についてですが……』
『ちょっと待った! 天法ってそんなにあるの?』
俺は真っ暗になった部屋を見回しながら叫んだ。
『はい、現在は3098条迄あります……そして、今回の1297条の改正前は「神あるいはその代行のものが定めた人物については記憶、能力を所持させ転生させてよい」というものでしたが、改正されて「神あるいはその代行のものが定めた人物について転生させても良いが所持させて良いのは記憶のみである」というものに変えられました』
『あ……あぁ、なるほど』
俺はほとんど理解できなかったが、言いたいことはなんとなく分かった気がする。
『続きには「これの改正後は能力者を速やかに帰還させること。ただし神あるいはその代行が『観察保護』が必要と判断した場合は例外とする」とあるのです。そして、旧主が能力者を沢山現世に送ってしまったのでその人物たちを帰還させるというのが今回の任務なのです。』
『ちょっと、重大任務じゃん』
『大丈夫です。そのために私がいるのです……「神様代行」の鈴木涼太さん。能力者からは魔力が出ているので、私がそれを感知して、涼太さんが帰還させればいいのです』
ルナはあっさりというものの俺には全く理解できなかった。
『俺はどうやって帰還をさせればいいの?』
『その都度、私が説明をするのでご心配なく』
『……うん、わかった。ちょっともう寝るよ』
俺は、頭が痛くなっきたのでそのまま目を閉じた。
第2話 戻る 第4話